<Event report>BEER MEETS ART IN YOKOHAMA 大野愛展トークイベント

大野 愛 Megumi Ohno

クラフト(手仕事)をキーワードに、横浜生まれの2つの感性が邂逅する――「横浜邂逅」。


 横浜生まれのビールとアートの出会いを体験できるイベント「BEER MEETS ART IN YOKOHAMA」の第2弾・大野愛展をSVB横浜の2階ギャラリースペースにて、開催しています。

横浜Bayside

油彩・キャンバス 2017年

Departure

油彩・キャンバス 2015年

Night Road

油彩・キャンバス 2017年


大野さんは、生まれ育った横浜を拠点に活動するアーティストです。彼女が愛してやまない横浜の街や月をモチーフに油彩画を制作していますが、その作風はとてもユニーク! 写実的な風景画でありながら、その絵は光の帯に覆われたように“シマシマ”なのです。
 一見CGで加工した画像のようにも見えますが、彼女の作品は油彩画。実物を間近で見ると、シマシマの部分が丁寧に塗り分けられているのがわかります。

 

「見る人によっても、また同じ人でもその時の気分によっても見え方が異なってくる」 と、作者である大野さん自身が語るとおり、見つめていると、何ともいえない不思議な感覚にとらわれるのが、シマシマ油彩画の魅力です。   

 

キャンバスをマスキングテープでブロック分けし、“シマシマ”を1本1本描き分けるという、とても手間と時間のかかる手法が用いられており、どの作品もスタイリッシュでありながら、手仕事のぬくもりが感じられます。

去る6月4日、 展示会場であるギャラリースペースでは、大野さんのトークイベントを開催。ご本人による作品の解説や、SVBの田山智広マスターブリュワーとのトークセッションも行われました。
 
まずは大野さんが、白い壁に展示された全8作品の制作背景とこぼれ話を語ります。来場されたお客様の大半は横浜愛の深い方々のようで、氷川丸やベイブリッジ、本牧の夜景を描いた作品の解説を、時折大きくうなずきながら聞き入っていらっしゃったのが、印象的でした。

Wharf Beer(油彩・キャンバス 2017年)
Wharf Beer(油彩・キャンバス 2017年)

今回のイベントに合わせて制作された、こんな作品も♪「工場地帯の美しい夜景も、横浜の魅力のひとつ」と語る大野さんは、黄金色に輝くビールの背景にこの夜景を選びました。きっと、工場で働く人たちをねぎらう“お疲れビール”の意味もあるのでしょうね。


 後半は、大野さんと田山マスターブリュワーとのトークセッションです。

 今回のプロジェクトでは「ビール造りはアートである」を合言葉としていますが、この言葉はもともと米・ブルームーン・ブリューイングカンパニーのヘッドブリュワーで創業者のキース・ヴィラの信念として語り継がれている言葉なんですと、田山マスターブリュワー。

 

「例えば同じ場所をモチーフにしても、描く人によって絵の出来上がりは全く異なりますよね。それはクラフトビールも同じで、例えばヴァイツェンという同じスタイルのビールを造っても、ブリュワーによって味わいは全く違ってきます」(田山)

 

個性を殺すことを良しとする大手会社のビール造りとは真逆で、個性を出すことが求められるクラフトビールの世界のビール造りは、「テクノロジー」よりも「アート」の要素が強い――。その説明に、会場内の皆さんもなるほどと納得の様子でした。

 

お互いへの質問タイムには、田山マスターブリュワーも趣味で絵を描くことがわかったり、大野さんが絵を描くときにかける音楽が昭和アイドルソングだったりと、驚きの事実も判明し、会場は大盛り上がり! ビールのほろ酔いも手伝って、和やかなムードのままイベントは終了しました。クラフトビールとアート。どちらも手仕事のぬくもりと感性を求められる世界ですが、二つは想像していた以上に好相性でした。

大野愛展は、引き続き6/25まで行われます。繊細な手仕事の技を、実際に間近でご覧ください。